力学思考・テクニック

力学思考:影響力と力の三要素

力とは「影響力」のこと

力学と言うのは、<ある物体に働く、力と運動の関係>を論じる物理学の部門です。

これをマーケティング的に言い換えると
<ある状況に働く、影響力と行動の関係>となります。

つまり、ある状況に向けてどんな影響力が働けば、自分の想定する結果を得られるか
これを考えなくてはいけません。

力学思考の概念

力学思考の概念の一つに「全ての事柄は、何らかの影響力によって結果に導かれる」
というものがあります。

いまここにある現実が、どんな影響力によって導かれ、何の影響力が働いて
何処に向かうのか。
さらに、そこにどんな新しい影響力を与えれば望む結果を得られるか。
これを考えるのが「力学思考」。

そこに常についてまわるのが、この「影響力」という力。

力の三要素とは「方向」「作用点」「強さ」

力学を構成する重要なキーワードとして「方向」「作用点」「強さ」があり、
その3つを総称して「力の三要素」と呼びます。

ある物体に対して、「力」というものがどれだけの大きさでどちらの方向から、
どの場所(作用点)に働きかけているかを常に分析します。

1。『方向』を知り、どこに向かっているかを把握する

ある荷物に紐を縛り付け、その紐に上方向の力を加えると
縛られている荷物は上昇します。

上昇する荷物は、重力によって地面に向かって降りようとするため
紐を持っている手には下方向の力が伝わります。

このように、あるものに作用する力には「方向」が存在します。

これは力学指向型マーケティングでも同じこと。
全ての事柄には何らかの影響力が働いている。

たとえばの例で、仕事に置き換えて考えると。。。

残業しても仕事が終わらない時、「BGM」という影響力が働けば
テンションが上がり<時間内に終わる>という結果に向かうでしょう。

しかし、一人で静かに集中するほうが効率が良い人の場合、
その「BGM」という影響力は、集中力を散漫にして
<やはり時間内に終わらない>という結果のままかもしれません。

このように、同じ「影響力」であってもその対象によっては進む方向が違ってくる。
常に、働きかけている影響力がどこに向かわせようとしているのか
『方向』を考える事が大事です。

2。『作用点』は目的によって使い分ける

ある力が物体に対して作用しているポイントを「作用点」と呼びます。
この作用点の位置を変える事によって、物体を動かしやすくもなり
また逆に、なかなか力を作用に変えられない事もあります。

たとえば、大きな柱が立っているとします。
柱の「A」を押せばすぐに柱は倒れそうですが、
「B」を押してもなかなか柱は倒れてくれないでしょう。

A

しかし、今回の目的が倒すことでは無く
移動させるのが目的であったらどうでしょうか?

「A」を押したら移動させることも出来ずに倒れてしまいますが
「B」を押せば、柱は倒れることなく横に移動するでしょう。

B

つまり、「倒す」という結果を求めるには「A」のポイントが正解ですが
「移動させる」という結果を導くためには「B」のポイントが
正解となる訳です。

その「A」や「B」のように力が働くポイントの事を「作用点」と呼びます。

自分が求める成果が見えてきて、使える影響力も把握出来た場合
人は得てしてその力を闇雲にフルパワーで使おうとします。
その結果、倒れ始めたドミノが勢いを増していくように
気づけば間違った方向へかけ離れ。。。ということもよくある話。

求める成果が見えていて、使える影響力も把握できたなら
それを何処に向かってどう使うか?
この事前シミュレーションを繰り返すことで
効果的な影響力の作用点を見つけるという作業が出来るでしょう。

3。『強さ』には細心の注意を働かせる

北風と太陽の話を知っているでしょうか?
旅人のコートを脱がそうと、冷たい風を送り続けた北風は失敗し
あたたかな日差しを注いで、熱くなった旅人にコートを脱がさせた太陽。

本来であれば、全てを吹き飛ばす影響力を持った北風が
旅人のコートもろとも吹き飛ばしてしまえば勝利だったかもしれない。
だから、北風は冷たい風を送り続けたのでしょう。

基本的には正当なマーケティングですね。

だがしかし!最初の話を思い出してください。
紐を縛り付けた重りを「上」に持ちあげる時、同時にその重さだけの力が
「下」方向に手に伝わります。
重い石を押して移動させようと思ったとき。
同じくらいの力が、腕と足にかかるでしょう。

力と言うものは一方向にだけ向けて作用させると
その反発が戻ってくるものです。

ましてやマーケティングの場合、その対象はほぼ人間です。
つまりその対象には感情が存在します。
押されれば、少し引くかもしれません。
引張ろうとすれば、それに耐えようと踏みとどまる事でしょう。

このように、『影響力』をいくらもっていても
ゴリ押しし続けてしまっては、相手は頑なに拒絶するかもしれません。

求める結果、自分の影響力、それを作用させる対象、誘導したい結論
これらが見えていても安心してはいけません。
その影響力を作用させる『強さ』には細心の注意を働かせてください。

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