私のコンサルタント時代に、全ての戦略の基礎となっていたのが、この「ランチェスター戦略」です。個人事業主さんや中小企業の方々が市場シェアを取るのに、これほど効果的で、これほど明確な戦略は他にないと思っています。
ランチェスター戦略の誕生
始まりは第一次世界大戦当時、戦闘機の開発に従事していた「F.W.ランチェスター」氏が戦闘機による空中戦をシュミレーションし分析して軍事作戦における方程式の一種として1916年に発表したのが最初の「ランチェスターの法則」です。
そして、第二次世界大戦が勃発。この方程式は再度注目され、多くの学者たちが兵力の補填、兵器開発、兵站を研究考慮した「ランチェスターモデル式理論」として新たに発表しました。
その後さらにコロンビア大学の数学教教授「B.O.クープマン」氏によって「ランチェスター戦略方程式(クープマンモデル)」として発展・再発表されます。これをアメリカ軍が正式に採用し、多大なる成果を収めました。そのことにより、戦後になってその理論が多くの国で翻訳されることとなります。
そして月日は流れ1972年に日本人経営コンサルタントの「田岡信夫」氏が、一番最初の「ランチェスター法則」から“戦略思想の基礎”を抜き出し、続く「ランチェスター戦略方程式(クープマンモデル)」から“市場シェア理論”を抜粋し、それぞれをミックスさせて完成させたのが「ランチェスター販売戦略」です。この完成度は非常に高く、50年以上経過した現代でも≪競争戦略の最高バイブル≫として広く用いられています。
この販売戦略は別名“弱者のマーケティング”とも呼ばれ、スモールビジネスが、大きな市場で圧倒的1位を取るためには非常に効果的です。数あるマーケティング理論を勉強する前に、まずはこの「ランチェスター戦略」を身につけたほうが何倍も効果的だと思っています。