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「ランチェスター戦略」その③ 二大主義 “No.1主義”

グランド・ルール「ランチェスターの二大主義」
ランチェスター戦略の中では「グランド・ルール」と呼ばれるくらいに重要な「No.1主義」と「一点集中主義」という2つの主義があります。

『No.1主義』

「ランチェスター販売戦略」の中では、最終結論としてあるひとつの目標を繰り返し唱えています。それは≪No.1になること≫。ランチェスターの指す「No.1」とは、単なる1番のことではなく≪2番手以降を圧倒的大差で引き離すトップ≫のことです。

ランチェスターの定義では、絶対的シェアを誇るNo.1を≪強者≫。それ以下の全てを≪弱者≫と呼びます。自動車販売台数で考えれば、トップのTOYOTAの前では日産もマツダも≪弱者≫なんです。

では、なぜ≪圧倒的大差での1番≫を目標にするのでしょう?それは、仮に1位と2位の差がわずかな場合、必ず2番手は1位の地位を狙います。その結果、値引き合戦や過剰サービス合戦などの激しい消耗戦が繰り広げられます。差が少ない場合は、いつ逆転されてもおかしくないので、その地位も安定しませんし余計な戦いが多くなるので収益性も悪くなります

しかし、1位と2位の間に圧倒的な差がある場合は≪これ以上戦いを挑むと体力勝負になり、規模の小さい自分達が不利≫と2番手が悟ります。すると、1位との戦争を避け同じ市場内での住み分けを模索するようになりその結果、1位はより強固な収益性を維持できるわけです。

ですから、今もしあなたが≪僅差の1番≫であるならば、2番手を早めに叩き、その差を広げ、≪圧倒的なNo.1≫にならなくてはならないが、その差を感覚値で考えてはいけない。じつは明確な基準があるんです。あるマーケットの限られた商品(局地戦)の場合は3倍それ以外の場合であれば√3倍(約2倍)の差を2位との間に作れたらそれを≪圧倒的な差≫と考えます。(前回お話した「一次法則」と「二次法則」の数値ですね)

では、現在2番手以下の場合に行うべき戦略はどうすればいいか?
≪市場の細分化・他との差別化を行い、規模を問わず「圧倒的なNo.1」を目指す≫これが正解。 総合的な1位を狙わず、細分化した小さな市場で≪1番≫を獲得。その後、2番手以下に大差をつけ≪圧倒的大差のNo.1≫を獲得します。その市場が安定したら、さらに次なる市場でのNo.1を目指すのです。これを繰り返すうちに、安定性や収益性を維持でき、そしてより大きな市場に打って出る体力がついてきます。

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