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「ランチェスター戦略」その⑤ ミート戦略(足下の敵攻撃の原則)

すでに、弱者が圧倒的1位になる為の基本的な考え方を身に着けたと思います。では、その努力の甲斐があって、圧倒的1位になったとしたら…次に何をすればいいのでしょうか?圧倒的1位に登りつめた場合、次に必要なことは当然、そのポジションの死守ですね。つまり、追っ手を撃墜しなくてはなりません。

これを≪足下の敵攻撃の原則≫と言います。自分の地位を脅かそうとする現段階での2位を攻めるわけです。といっても、別に嫌がらせや腕力にモノを言わせて喧嘩をしかける訳ではありません。前回までの「弱者の戦略」に対して、今回お話する「強者の戦略」、それを≪ミート戦略≫と言います。つまり、真似。

通常は、弱者が強者の真似をしたがります。『既に稼いでいる人の真似をすれば、自分も稼げるのではないか?』とね。しかし、強者が自分の地位を脅かす弱者に対してこそ実はこの「真似」が効果的なのです。

あえて真似をするこのミート戦略で面白い事例があります。「和民」「白札屋」「月の雫」。これらの居酒屋チェーン店、1度は目にしたことがあるでしょう。じつはこれらは、当時様々な戦略で一気に勢力を拡大してきた新興勢力だったのですが…これに対抗して、当時の業界最大手モンテローザは完全なる≪ミート戦略≫で対抗しました。

ワタミフーズの「和民」に対し、モンテローザは≪魚民≫をぶつけました。サントリーの「白札屋」に対して、モンテローザは≪白木屋≫を。三光マーケティングフーズの「月の雫」に対して、モンテローザは≪月の宴≫を。みたのクリエイトの「目利きの銀次」に対しては、沖縄ローカルで関東進出していないということでモンテローザは堂々と同じ「目利きの銀次」を名乗って関東展開!恐るべし!ですが…ここまでやると、訴えられます(笑)実際に裁判になってしまいましたし…

弱者は、すでに勝ちあがっている強者と同じ土俵では勝負しません。差別化やマーケットの細分化…つまり「一点集中主義」で攻めます。圧倒的1位のポジションに居るならば、弱者が差別化して展開してきた所を、模倣して攻めるのです。非情ですが、それもビジネスですね。

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